日本口腔インプラント学会 専門医 日本顎咬合学会 認定医 歯科医師 尾崎 和郎
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歯周病は日本人が歯を失う原因の1位となっています。日本人の場合、40歳くらいまではむし歯で、40歳以降では歯周病で歯を失ってしまうといわれています。
歯周病の初期~中期にかけては痛みなどの自覚症状がほとんどの出ない場合も多く、気づくのが遅れ、異変を感じてから 歯科医院を受診した時にはすでに深刻な状況まで症状が進行しているのが歯周病の恐ろしいところです。
歯周病は、歯に付着したプラーク(歯垢=細菌の塊)によって引き起こされる炎症を伴った感染症の1つです。歯に付着したプラークを調べると、約150種類の細菌が見つかります。(最新の研究報告によると、約500腫の細菌が見つかっております)そして、歯と歯茎の間に貯まったプラークの内、約10数種類の菌によって引き起こされる感染症が歯周病になります。
抗生物質によって細菌を殺すという方法も考えられますが、歯周病にかかってしまうと、歯周ポケットが出来上がってしまいます。そこには非常に多くの種類の細菌が住みついて、特定の抗生物質を使用しても、全ての種類の細菌を殺すことは出来ないため、薬を使用して完治させるのは難しい病気です。歯と歯茎の間に貯まってしまった歯石を機械的に除去できなければ歯石の上には細菌が付きやすいので、プラークがどんどんたまり、歯石だらけになってしまいます。ですから、定期的にメインテナンスを受けるなど歯周病の予防、治療にはプラークや歯石の機械的な除去が必要となってきます。
成人した日本人の85%以上が歯周病にかかっているといわれています。
歯周病の進行はどこかで食い止めなければ、最終的に歯は抜け落ちてしまいます。
歯茎は引き締まっていて、綺麗なピンク色をしています。
歯の周りにプラーク(歯垢)がたまり、そのプラークの中に歯周病菌が存在すると歯肉炎が引き起こされます。
歯肉炎の時点では、歯磨きをしっかりとして、プラークを取り除くようにすると、大抵は健康な状態に戻すことが出来ます。
歯と歯茎の間に隙間(歯周ポケット)ができて、膿が発生したり、口臭が起きたりします。歯茎はどんどん下がっていき、歯が動き出すこともあります。この状態を歯周炎と呼びます。一度、歯周炎になってしまうと、専門的な治療が必要になります。5ミリ位までの浅いポケットでは麻酔下で歯面の付着しているプラークを除去するための専門的な機械清掃が必要になります。深いポケットにおいては時に歯茎を開けて根面を清掃する歯周外科治療が必要な場合もあります。
歯周炎をそのまま放置すると、歯の支持組織は崩壊して、歯は自然に抜け落ちてしまいます。現在は、スウェーデンで開発された、歯周組織再生療法(エムドゲイン法)などにより、ケースによっては抜歯となってしまうはずだった歯の保存も可能となってきました。一番大切なことは、かけがえのない天然の歯なので、抜歯の前にまずは歯の保存を優先的に考えます。
歯周病の治療が終わった後は、より丁寧な歯磨きが必要です。毎日歯磨きをしなければならない理由は、歯についているプラークを除去して、細菌の増殖を抑えるためです。歯周病はプラークによって引き起こされるので、そのプラークをブラッシングによって除去すれば良いということです。
毎日しっかりと正しい方法で歯磨きを行う必要があります。自分では綺麗にできているつもりでも、正しい方法でブラッシングをしなければ汚れは残ってしまいます。ご自身でのプラークコントロールをしっかり出来ないまま歯周病の治療を行っても、高確率で再発してしまいます。